住宅地開発におけるコンセプトワークとランドスケーププランニング


ハーブリック・タウン

ガーデンシティ目白台のランドスケープ


対象地は埼玉県内の予定総戸数1200戸という大規模な郊外型住宅地であった。
ほぼ造成工事は完了し公園、緑地等の整備のみという段階でプロジェクトに参加した。
それまで郊外型住宅地は統一された生垣、門柱、家並など、どちらかというと没個性的で整然とした街並が美しい街並みということで評価されていたが、 これからの街並みとして個性的で楽しくそして全体としてまとまりがあるような街並みを目指したかった。
そしてそのような街並みを構成するキーワードとして”ガーデニング”に注目した。
ガーデニングは個人が主体で行うものなので当然個性的なものになる。 そして隣近所といい意味で競うようになれば結果として美しい街並みとなる。
自分たちで作り上げる街並みは楽しい街並みでもある。 さらにガーデニングという共通の話題により自然とコミュニティが育成されていく。
しかしランドスケープコンセプトとしてはガーデニングというポピュラーな言葉ではあいまいになりがちなのでさらに絞り込む必要があると感じた。
そこでハーブに注目した。それはハーブが単に観賞の緑ではなく飲食、薬、アロマテラピー、入浴、虫除けなど生活全体に深く関係を持つ緑だからである
「郊外生活」=「ハーブを楽しむ生活」というイメージである。またガーデニングの主役は植物だけでない。さまざまな素材も大切なアイテムとなる。
この素材のひとつとしてレンガを取り上げた。レンガは長い間利用されているもっともポピュラーな素材である。
ハーブとレンガという二つの言葉で郊外型住宅地の新しいイメージを築いていくのがコンセプトとなった。
レンガをブリックという言葉に代え、「ハーブブリック」→「ハーブリック」という造語にしてランドスケープコンセプトは「ハーブリック・タウン」とした。

▽イメージマップ


街並


エントランス


住民によるガーデニング


ロートアイアンの扉


住宅地の幹線道路からの進入口にはゲート性を演出するために、アメリカフウのゲートツリーとアイキャッチとして大きなキンモクセイがレンガウォールの背後に植えられた。アプローチの両脇には地権者の協力でレンガウォールを設け住宅地へと導く演出もしている。
コミュニティセンターはハーブ・コートというネーミングで「ハーブリック・タウン」にふさわしいデザインとし、回廊を持つ中庭にはハーブのノットガーデンと中央に噴水を設置している。ハーブコートでは住民のガーデニングに興味をもつきっかけ作りのためライブラーを設け園芸図書をおき、ハーブクラフトや押し花名などの講習会も行いソフト面でも積極的にバックアップした。
さらに住宅地内への入り口部にはレンガ門柱とロートアイアンの門扉を設けた。これらはダミーで閉じることはないが住宅地の囲い込みのイメージ演出としては効果的だった。
各公園にはハーブを主体の植栽とレンガの工作物を設け、遊休宅地は菜園(ハーブ園)として整備し住民に利用してもらいすこしでも緑との生活を楽しむきっかけ作りをしている
建売住宅においてもオプションガーデンなどのメニューをつくりガーデニングのベース作りを促した。

▽ハーブコート



ハミング・ガーデン(遊休地の活用)


オプションガーデン


ライブラリーでの講習会


その他の事例
□Node town近郊駅前開発のランドスケープ構想

□Fuison City既存集落との融合をテーマにしたランドスケープ構想

□庭園住宅地(庭園のような住宅地をめざす)

□ホワイト・コモン(白をテーマにした街角ひろば)

□里庭(農家の庭先をテーマにした住宅隣接地開発)

□レインボー・リーブス(コニファー・カラーリーフによる街角ひろば)

□さくら・コモン(水とさくらをテーマにした住宅地開発)

□新・田園都市(新・田園都市をテーマにした住宅地開発)

□ハーブリック・タウン(ハーブとレンガをテーマにした住宅地開発)

□ブルグ構想(ドイツの小さな町のランドスケープをコンセプトにした住宅地開発)

□シンフォニック・ステージ(音楽をテーマにした住宅地開発)

□フェアリー・ヴィレッジ(妖精をテーマにした住宅地開発)

□曲線路の街並 (道路車道部を曲線にした住宅地開発)

□森のリ・デザイン(既存樹木を活用したマンションのランドスケープ)

□小伝馬町の光庭 他(マンションのガーデンデザイン)

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