岩石分類と性質

天然石は、推積石,火成岩,および変成作用を受けた変成岩の3つに分かれる。

全ての岩石は下表の6種の造る岩鉱物によって作られてる。

 

各岩鉱物の特性

 

無色鉱物

有色鉱物

石英

長石

雲母

カクセン石

輝石

カンラン石


sio2

K.AIl.Si
Na.Ca

K.Al.Si
Na.Ca

K.Al.Si
O.Mg.Fe

Ca.Mg.Fe
Si.O

Mg.Si.O
Fe







無色

白色

白色・黒色

黒褐色

緑色

オリーブ色

硬度

7

6

2〜3

5〜6

5〜6

6.5〜7

 

六角柱状

柱状

平板状

長柱状

短柱状

粒状

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

硬度はモース硬度計による(ダイヤモンドが最も硬く10)

 

 

推積岩水成岩)

砂・粘土・火山灰や動植物の残骸などが湖底や海岸に沈み,上からの圧力で固結したもので,多くの不純物を含む場合がある。

(1)礫岩
 火山活動によってできた直系2mm以上の火山礫からなり,その間を粘土や砂が埋めている。

2)砂岩(インド砂岩、イタリア砂岩、木曽石)参考HP:グラニテック
 火山活動によってできた直径0.06〜2mm以上の火山礫砂等からなり,石英や長石の間を粘土・石灰質・珪酸等が埋めてる。

 

3)泥岩(粘板岩:スレート・玄昌石)参考HP:グラニテック
 直径0.06mm以下の粘土からなり,これが圧縮・固結されると粘板岩になる。

4)凝灰岩 (大谷石)参考HP:グラニテック
 火山活動によってできた直径4mm以下の火山灰が凝固したもの。

5)石灰岩(ライムストーン、ジュラストーン)参考HP:グラニテック
 炭酸カルシウムが主成分で,生物の遺物が集積したものと科学的沈殿によるものがある

不純物が多く含まれ斑紋をなしており,傷が付きやすく,化石が混入していることがある。

 

6)チャート珪岩石英岩、クオーツサイト)
 
SiO2が90%以上の細粒な堆積岩.放散虫や珪藻などの微生物の遺骸(化石)が積もったもの,化学的沈殿作用によるものなど多様

最近は石英の結晶が目立つ石を石英岩と一般に呼んでいるようである。(石英:quartz / 珪岩quartzite

 

火成岩

火山のマグマが直接固まったもので地下深いところで長時間かけて固まった深成岩と地表又は
地表近くで短時間に冷やされて固まった火山岩とその中間的性質をもつ半深成岩の3つに分かれている。

火成岩の分類

石英の量

(多い)
酸性岩

← →
中性岩

(少ない)
塩基性岩

火山岩

流紋岩

安山岩

玄武岩

半深成岩

石英斑岩

ヒン岩

輝緑岩

深成岩

花崗岩

閃緑岩

斑れい岩




無色鉱物


有色鉱物

石英


雲母

長石

カクセン岩

 

 

 

輝石
カンラン岩

淡灰色

← →

暗黒色

比重

2.7

← →

3.2

 

 

深成岩

1) 花崗岩(御影石、伊勢ゴロタ)参考HP:グラニテック
 地球上に最も多く存在し石英・長石・雲母を主成分とする酸性の深成岩。

白・桜・赤が多く,耐久性・耐磨耗性に優れているが耐火性に弱く,鉄分を含むため酸化されると酸化鉄という錆が発生する。

(2) 閃緑岩(黒御影石、筑波ゴロタ)
 長石・雲母・角閃石・輝石等で構成される中性の深成岩。耐久性・耐磨耗性に優れている。

(3) 斑れい岩
 カルシウムを含む長石・角閃石・カンラン石等で構成される塩基性の深成岩。黒色結晶質をもち磨くと美しい黒色となるが石目は硬い。

(4) カンラン岩
 カンラン石と輝石を主成分とする粗粒の岩石。

 

火山岩

マグマが地表または地表近くで急激に冷やされて固まったもの。(石英結晶が十分大きく成長していないものが多い)

輝石・カンラン石等は,早い時期に結晶して鉱物特有の形を示すが鉱物同士の結合力は弱く白い石基状にヒビの入ることがある。

(1) 流紋岩
 組織的には花崗岩と同じだがガラス状の石基があり,火山の熔岩が流れて固まった形跡が模様となっている

白か淡褐色が多く、・赤・黄を帯びているものもある。

(2) 安山岩(根府川石、小松石、鉄平石、丹波石、芦野石)参考HP:グラニテック

組織的に閃緑岩と同じで我国の現在の火山を構成している最も主要な岩名。

色は灰色で一般的に耐久性・耐火性は花崗岩より優れており,建築用資材としては花崗岩と双璧をなしている。

(3) 玄武岩(六方石、黒ボク石)
 硬くて綿密な火成岩で長石・輝石・磁鉄鉱よりなる暗灰色の色をしており,角孔質で六角形の柱状節理のものが多い。

 

 

変成岩

大理石・蛇紋岩・緑泥片岩石英片岩が代表的な変成岩。

1) 大理石参考HP:グラニテック

結晶質石灰岩とも呼ばれ,石灰岩が熱変成を受けて再結晶したもの。炭酸カルシウムを主成分として常に多くの不純物を含む

磨くと美しい色と模様と光沢を発する。十分に熱変成していないものもあり岩石中にピンホールとして小さな空孔の残る場合がある。

(2) 蛇紋岩
 カンラン岩中のカンラン石や輝石が水と反応して蛇紋岩となる。白い模様は滑石と呼ばれ柔らかく水を吸収し膨張する性質がある。

 

(3)       緑泥片岩 (秩父青石)

 緑泥石を主成分とした濃緑色の結晶片岩。剥離性に富む。

 

石材の性質

 

種類

比重

強度(kgf/cu)

ヤング係数
t/cu)

吸水率
(%)

耐熱度
(℃)

熱伝導率
kcal/mh℃)

熱膨張率

圧縮

曲げ

引張り

せん断

花崗岩

2.65

1,500

140

55

180210

520

0.35

570

1.8

7.0

安山岩

2.50

1,000

85

45

280

-

2.5

1,000

1.5

8.0

凝灰岩(軟)

1.50

90

35

8

-

-

17.2

1,000

0.7

8.0

砂岩 (軟)

2.00

450

70

25

-

170

11.0

1,000

0.7

8.0

粘板岩

2.70

700

700

-

730

680

-

1,000

-

-

大理石

2.70

1,200

110

55

-

770

0.30

600

2.0

7.0

石灰岩

2.70

500

-

-

-

310

0.55.0

600

1.8

5.0

軽石(軟)

0.70

30

-

-

-

70

-

-

0.80

-

コンクリート

2.30

150250

1850

1225

4060

210

-

-

1.8

7.6

 

 

参照HP:石材用語辞典(イーストワン)

 

参照HP:岩石図鑑