ゲンジボタルの生息条件(東京ゲンジボタル研究所調査より)
水質的環境(東京の生息地3地域の値)
項 目 |
範 囲 |
|
水 温 |
摂氏 |
2.0〜28.0 |
水素イオン濃度 |
PH |
6.5〜8.3 |
溶存酸素量 |
DO(mg/l) |
6.8〜11.8 |
生物化学的酸素要求量 |
BOD(mg/l) |
0.5〜1.8 |
化学的酸素要求量 |
COD(mg/l) |
0.5〜3.4 |
炭酸カルシウム |
Ca |
11.46〜13.2 |
塩化物イオン |
Cl- |
6.19〜11.2 |
アンモニア態窒素 |
NH4+-N |
0.03〜0.12 |
硝酸態窒素 |
NO3--N |
0.43〜0.45 |
物理的環境
項 目 |
概 要 |
水 量 |
0.3〜4.6 l/sec. |
水 深 |
10cm〜40cm |
流 速 |
10cm〜40cm/sec. |
川 幅 |
1〜3m。正午頃、水面に直射日光が当たっている所とそうでない所が同じ面積である。 |
底 質 |
泥質、砂礫、礫 |
陸 地 |
草で覆われ、土の露出はほとんどなく、湿性植物が土の湿り気を保っている。 |
空 間 |
民家や道路がない。あっても、交通量が少なく、街頭もない。川のすぐ側に林がある。 |
地 質 |
石灰岩層 |
人為的環境
項 目 |
概 要 |
人工照明 |
ほとんど無い、あるいは全く無い |
車 道 |
全く無い、あるいは川沿いに幅員5m以下 |
通行量 |
夜間は非常に少ない |
人家数 |
全く無い、あるいは5件以下 |
生物的環境
項 目 |
概 要 |
植物の種類 |
多種多様で水辺林特有の植物形態 |
落葉量 |
水域に落葉広葉樹があり、落葉量は豊富 |
魚 類 |
メダカ、ホトケドジョウ、アユ、ヤマベ、イワナ |
水生昆虫 |
カワゲラ、カゲロウ、トビケラ |
貝 類 |
カワニナ |
幼虫とカワニナの生息環境
ゲンジボタルの生息条件には餌となるカワニナが生息していることが不可欠
カワニナは、小さな湧水の流れの非常に穏やかで水深も1cmくらいのところから、渓流の流れの速い瀬の部分まで幅広く生息する
石灰岩層があり、日当たりが良く、珪藻類など植物性プランクトンが多い場所
落ち葉が流れの中に多くあり、セリなどの植物が茂っている環境がよい。
ゲンジボタルの幼虫は、ある程度隙間をもって石が重なったような場所で、しかも自身が流されない程度に緩慢に流れの場所に生息する。
ホタルの生息地では、この二種類の生物が生活していくために川の空間構造が多様である。