1)池の設計と用途

庭園の池として、観賞が目的の場合は、役石や水面と地面とのつながりなどを注意して設計する必要がある。また、鯉などの魚の飼育、観賞を目的とする場合は、飼育する魚の種類と、数、池の広さや、深さとのパランス、猫に食べられないような水際の処理などを考慮して設計する必要がある。

いずれの場合も、循環ポンプ、ろ過装置など置くスペースが必要となる。

 

2)池の汀線

汀線の作り方は、形とともに大事で、水が緩やかに流れる凹所には洲浜を、水流のつきあたる所には立ち石を立てて接岸の感じを出したり、草護岸や乱抗護岸など変化をつける。水面を広く見せるためには、水面を高くして、汀線の変化を少なくする。明るい感じの池にするには、周りの植栽を落葉樹主体で少なめにし、水深を浅くするとよい。


 


3)池の役石

 

@中島:島のこと。

A多島:小島が幾つか群れをなして池の中にあるように配置された小型の島。

B岩島:がんとう::池周辺の石組と関連をもって、1石または数石、池の中に配置された岩の島。

C沢渡り(さわたり):池や流れの水面岸沿いに打った飛石、岸沿いに園路が設けられないために配置され、水中に据えられるので、一般の飛石よりやや背が高く大型である。

D鼻受け:岸から突き出た岩の一部が池の中に残った石。

E拝石:別名礼拝石とも言う。池や庭の観賞に適した場所に据えられた大きな平石。

F橋挟石(はしばさみいし):橋の袂(たもと)に立つ石。正式には、両岸に2つずつ状況に応じて、それ以下の石で橋を挟み込むように据える。これは橋を渡るとき安全に、また、景趣よく見せるという効果を待つ。

G沢飛び:池や流れの比較的狭い所て対岸に渡るために打った飛石のこと。

 


4)魚と池の規模

 

金魚

 

鯉 20cm程度

  10匹前後

  

  30匹前後

 

  30cm前後

  10匹前後

 

  45cm程度

  10匹前後

水深30cm前後

 

 

 

 

 

水深は1.2m以上

面積2〜6u程度

 

10u

 

 

20u

 

20u

 

 

40u

 

@水面と地面との差は、猫対策のため15cmの差をつける。

A魚が傷つかないように池の壁や底は、凹凸がないようにし、壁と底は黒く仕上げ、鯉の色が鮮やがに見えるようにするなどの処理が必要である。

Bろ過装置は必要である。

 

5)水草と池の深さ

アヤメ、シャガは陸上で、ハナショウブやキショウブは水際に、カキツバタは7〜8cmの水中に、スイレンは水深30cm前後で芽が水深10cmの所にあるのがよい。

ハスは水深20cm前後、フトイは水深5cm前後の場所が植栽に適する。