流れ、せせらぎ


 


 

1)流れの役石

@沢飛石:園路の廷長で流れを渡る飛石。

A水切り石:流れの中にあり、水を分流し、勢いをつける石。

(波分け石)

B水越し石:水面下にあり、水を盛り上げる石。

C底石:水面下にあり、よく見える石。

Dつめ石:大きな石を支えるような形の右。

E横石:流れの幅を狭めて、瀬を作るために据える胴の盛り上がった2つ(両側)の石。流れやその他の役石と同じように、流れの役石も、自然な流れに見せるために大事である。

 

2)流れの設計での留意点

@流れの曲線は、庭園を広く見せるため、幅の大小や曲がり方などを大きくしたりして誇張するとよい。

A幅は12m前後で、深さは510cm程度がよい。

B勾配は、ただ単に緩やかに流れる場合は、0.5%程度がよい。一般的には、早瀬などを含めると平均3%程度がよい。ただし、庭のレベルを考え計画する必要がある。

C水性植物(ヒメセキショウ、セキショウなど)を植える部分は、水の勢いを弱くし、乱杭や捨石などで土を押さえる。

D立ち石、島が多すぎると重々しく、また、乱雑になりやすいので注意する。

E流れの底は、ごろた石や砂利などを敷くが、埋め込むなどすると景観上好ましい。

F防水は、アスファルト防水や防水モルタルよりも、防水シートの方が水漏れの心配は少ない。

G縁より水が盛れないようにするのと同時に、コンクリートやモルタルなどが見えないように注意する。

 

3)流れの断面(例)

 

 

 

 


 

4)流量計算

流れ、せせらぎの流量計算にはマニングの公式を用いる。

 

 

マニングの粗度係数 n

 

 

 

水 路 の 状 況

nの標準値

 現場打ちコンクリート

 

0.015

 

 コンクリート管

 

0.013

 

 コルゲートメタル管(1形)

 

0.024

 

     〃    (2形) 

 

0.033

 

     〃     (ベービングあり)

 

0.012

 

 塩化ビニル管

 

0.010

 

 コンクリート2次製品

 

0.013

ライニングした水路

 鋼, 塗装なし, 平滑

 0.0110.014

0.012

 

 モ ル タ ル

 0.0110.015

0.013

 

 木, カンナ仕上げ

 0.0120.018

0.015

 

 コンクリート, コテ仕上げ

 0.0110.015

0.015

 

 コンクリート, 底面砂利

 0.0150.020

0.017

 

 石積み, モルタル目地

 0.0170.030

0.025

 

 空 石 積 み

 0.0230.035

0.032

 

 アスファルト. 平滑

 0.013

0.013

ライニングなし水路

 土, 直線, 等断面水路

 0.0160.025

0.022

 

 土, 直線水路, 雑草あり

 0.0220.033

0.027

 

 砂利, 直線水路

 0.0220.030

0.025

 

 岩盤直線水路

 0.0250.040

0.035

自 然 水 路

 整正断面水路

 0.0250.033

0.030

 

 非常に不整正な断面, 雑草, 立木多し

 0.0750.150

0.100

 

*せせらぎ幅が1.5m以下だと導水路のようなイメージ、25mだと小川のイメージ、それ以上は川のイメージ

*流速が0.1m/s以下だと止まったように見え、0.5m/s以上だと早すぎて落ち着きを欠く

(日本庭園の小さな流れは0.20.4m/s程度)